酒税改正を読み解く / 全7回・第7回
家の買い置きと、
お店の在庫の違い。
家庭で飲むために買ってあるお酒と、お店が販売のために持つ在庫では扱いが違います。家庭の買い置きに追加納税を求める制度ではありませんが、事業者の在庫には手持品課税・戻税が関係する場合があります。

一つの疑問から、
お酒と暮らしを考える。
情報確認日:2026年10月1日
01 / 今回の論点
家庭の買い置きに
申告は必要?
今回の手持品課税は、酒類の製造者や販売業者等が販売のために持つ対象酒類について、一定の要件で行われるものです。家庭で自分たちが飲むために購入したお酒について、追加で酒税を申告する制度ではありません。
同様に、家庭のビールが減税されたからといって、買ったお店や国から差額が自動返金される制度でもありません。レシートを保管しておけば、家庭の買い置き分の減税額を請求できるということではない点に注意しましょう。
出典:資料4
02 / 今回の論点
販売用の在庫に
調整がある理由
酒税は通常、製造場から出荷された段階で課されます。改正直前に出荷された商品と、改正後に出荷される商品で税負担がずれるため、流通段階の一定の在庫について新旧の税差を調整する制度が設けられています。
増税対象には手持品課税、減税対象には手持品戻税という仕組みがあります。2026年10月1日午前0時時点の在庫が基準です。店内だけでなく別の保管場所などがある場合も、国税庁の案内に沿って整理する必要があります。
03 / 今回の論点
基準は、全在庫では
なく引上対象酒類
今回の義務的な手持品課税の数量基準は、販売のために持つ「引上対象酒類」の合計2,000リットル以上です。減税対象のビールまで足した全酒類の数量ではありません。複数の場所に在庫があれば、数量の判定は合計で行います。
たとえば、増税対象が1,500L、減税対象が800Lなら、総在庫は2,300Lでも、この数量基準の判定は1,500Lです。逆に、増税対象が店舗1,200Lと倉庫900Lなら、合計2,100Lとして確認します。これは数量の考え方を示す例で、個別の申告要否を確定するものではありません。
2,000L未満の場合や減税対象だけの場合も、届出をして適用を受け、還付につながる場合があります。「少量だから調べなくてよい」「ビールだけだから戻税できない」と決めつけず、対象酒類・所持場所・手続を確認してください。
04 / 今回の論点
申告・届出と
納付期限は別
申告・適用の届出の原則期限は2026年11月2日です。納付が必要な場合の原則期限は2027年3月31日で、申告期限とは異なります。納付が先だからといって、11月の手続まで後回しにできるわけではありません。
国税庁の資料では、保管場所ごとの申告・届出や、減税対象のみを持つ場所の扱いなども説明しています。災害による期限延長を含む個別事情や、実際の申告書の記載は、所轄税務署や税理士に確認してください。
販売用在庫を整理するときは、商品名、品目・区分、容量、本数、保管場所、基準時点の数量が対応するように記録します。缶数だけでなくリットルへの換算をそろえると、数量の取り違えを防ぎやすくなります。
個別の延長措置等がある場合は公式案内を確認。各日付の役割を取り違えないでください。
05 / よくある疑問
気になる点を
もう少し確認
Q. 家にある缶ビールを買取相談したら、家庭も申告が必要ですか?
自家消費用の買い置きを持っていることだけで、今回の手持品課税の対象となるわけではありません。継続的な販売事業など別の事情がある場合は個別確認が必要です。
Q. 増税した新ジャンルは、買取額も上がりますか?
税率の上昇だけで自動的に決まりません。商品、日付、状態、数量などを確認して判断します。
家庭は必要な本数と保管状態を確認し、事業者は販売用在庫の区分・数量・期限を確認する。それぞれ必要な行動が異なります。
酒税改正を読み解く / 全7回
この回のテーマ:酒税改正と買い置き・店舗在庫|手持品課税と戻税の確認点【2026年】
前の回:新ジャンルはなくなる?2026年の「発泡酒」表示とビールへの変更の違い
酒税改正シリーズは今回で最終回です。今後は、缶ビール・贈答品を手放す際の具体的な疑問を取り上げます。
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